Milan Design Week 2017 – Review 01 / Lambrate
某マジックテープアイディアコンテスト2016で最優秀賞を頂き、副賞としてミラノデザインウイーク2017を訪問してきました。
世界一の見本市ミラノサローネに関連したイベントとあって、当然この一週間は尋常ではないくらいホテルの料金が高いのですが、クラレ様が航空券だけでなくホテルも用意してくれてました。おまけに空港からホテルへの送迎付きというVIP待遇。ちなみにデザインウイーク自体は街中でやっていて無料。サローネだけフィエラの見本市会場に入るのに30ユーロほどでした。
ミラノは今回で2度目。前回の観光ではドゥオモ、ガレリア、インテル長友のセリエA初得点以外にはあまり…という印象でしたが、デザインウイーク期間中は打って変わって、街並みの裏側に隠し持っていたエネルギーが解放され、普段見ることの出来ない歴史的な建築物を舞台として展示がなされていました。出し惜しみシティ、ミラノ。
IKEA FESTIVALにみる自虐と創造
その中でも注目したのはミラノ北東部のLambrateエリアで行われていたIKEA FESTIVAL。言わずもがなスウェーデン発祥の家具量販店として認知されているIKEAの展示は、自社製品を使ったショールームを並べるという実店舗で使われているフォーマットをそのままに、アーティストやデザイナーが自由な発想で各ショールームを提案するというものでした。
ここで挑戦していたことは自社製品をそのまま使わずに、タブーであるはずの解体、加工、着色などを許容して、本来の目的とはかけ離れた使い方、例えばアートオブジェや滑り台など、で大人版の遊園地とも言えるような訪問者が楽しめる展示構成をしていたことです。
FESTIVALというソフトな名目で訪問者を魅了することに徹し、タグを付けたままの自社家具は多少ぞんざいに扱われながら休憩スペースに利用されやすく並んでいる。デザインの街として成熟しているミラノが大量消費社会を象徴する大型量販店に対して厳しい目を向けているということを逆手に取り、結果として企業の懐の広さを示すことでブランドイメージを向上させる素晴らしい展示でした。
デザインウイーク全体として日本のブースは洗練されクオリティの高いデザインが並んでいて好印象でしたが、IKEA FESTIVALのような”やんちゃ”な展示がもう少しあっても良いのにと、このあたりが今後のヒントになりそうです。